ローディーのお仕事 応用編 ギター
E.ギターのケアやローディーとしてのポイント
弦を交換した時、弦高の高さやオクターブの調整などをして、ミュージシャンの一番弾きやすい状態にしてあげること。ギターやメーカーによって調整の仕方やチューニングの方法が変わってくるのでそのギターの癖を掴むこと。
アコースティックギターのケアやローディーとしてのポイント
僕の場合、アコギは主にゆずの現場で勉強したんですけど、北川さんのメインギターである J-160E は合板で作られていてエレキのピックアップがついてるんですけど、まったく鳴らないギターなんです。(J-160E にはハイランダ−というピックアップをつけています。EQ ついてないんですよね、コレ。)ですからどうやったら鳴る様になるのか色々やってみたわけですけど、弦の巻き方、ポストに2回巻くのか、3回巻くのかとか、ネックの反り具合とか。ネックの反りというのはアコギの音にとって物凄く影響があります。順反りすぎるとつまった音になったり、まっすぐすぎると、古いアコギだと弦がビビってしまったりと。そういうのはギター1本1本の個性があるのでそれを見極めるのが大事ですね。J-160E だとちょっと反らせ気味くらいで弦のテンションを少し強くしてやると、だんだん鳴る様になってきます。コレが YAMAHA のアコギになると全く逆で、ちょっと反ってるとすぐつまった音になります。まあ、ここだというポイントが見つかればしまう時に半音下げにチューニングしておいたりしてネックの状態を維持してあげるのが大事ですかね。あんまりネックをいじくるのはギターにも良くないし、チューニングも安定しませんからね。
アコースティックギターは又の名を生ギターなんていうだけあってエレキギターに比べてかなりデリケートな楽器です。従って、日本のような湿度の高めの気候ではその影響をもろに受けやすく良いコンディションを保つのはなかなか難しい事です。特にツアーにおいては行く先々で全く気候の状況が違ったりするので(もちろん季節によっても)厄介です。その状況下でいかに楽器に負担をかけずに良い状態にするかがポイントでしょうか。またデリケートなのはチューニング、弦の鮮度にも言えると思います。エレキギターももちろんなのですが、アコースティックはよりシビアなチューニングが要求されるでしょう。弦の鮮度についてエレキギターよりもより如実に音に出てしまうので(悪い言い方ですが)ごまかしは効かないでしょう。
弦の交換をする前に、ネックの状態や弦高などを確認してから交換するようにしています。それと、弦の巻数なんかも結構気にする人が多いので、なるべく確認してから弦交換しています。巻数でテンションが変わりますから。
チューニングにおける注意点や心遣い
チューニングにおける注意点や心遣いということなんですが、今僕は「ゆず」のツアー中なのでそこでやっていることをそのまま書きたいと思います。僕が担当している楽器はアコギがすごく多いのですが、っていうか全部なんですが・・・。YAMAHA のアコースティックギター「FG-CUSTOM」を使っていまして、これは、すごくいいギターです。オールハンドメイドなので、ネックの太さ、弦高、ナットやブリッジ、ペグに弦のテンションなど全て指定で作ってありますので全く手がかかりません。話がそれてしまいましたが、本番で使うギターは、なるべく当日にギターの弦を変えるようにしています。あとは、ステージに持っていくまではチューニングしません。なるべく本番の環境に近い状態でコンディションを持っていきたいし、アコギはどれだけ弦が死なずに長持ちするか、みたいなところがあるので。そして難しかったりもしますが、空調もサウンドチェックの時から本番の時と同じようにしむけちゃいます。・・・なんつって。あとは、リハーサルやその前からギターのコンディションを Check Out してナットやフレットの交換、ぺグの動きなどを見て本人に指摘しメンテナンスをして本番は余裕を持ってチューニングする。これがとても大きなチューニングのポイントではないでしょうか。お疲れ様でした。
なるべくギターを弾く人と同じようにチューニングします。開放でチューニングする人ならば開放で! ハーモニクスでチューニングする人ならばハーモニクスで! 1弦からチューニングするならば 1弦からなど・・・。
フローティングをしているストラトなんかは、1度 6本の弦のバランスを見て、一番チューニングの合っていない弦から合わせるようにしてます。その前に、弦交換をしっかりやらねばいけないかなと・・・。たかがチューニングといっても、結構大変だなぁ〜と最近感じる事が多い。8年くらい一緒に仕事をしているギタリストに、今でもたまに首を傾げられる事もあるので・・・。
これはやってはいけないギター編
あっ、立石です。これはやってはいけないギター編ということなんですが、これは大きいところで言うと、やはりギターの盗難や転倒による故障などがトップクラスといえるでしょう。経験のない方のためにはっきり言っておきますが、これはかなりへこみます。もうなんて言うんでしょう「久しぶりに実家に帰ったのに、自分の歯ブラシが用意されていなかった」くらいへこみます。まあ、ちょっと違うかもしれませんが・・・。とても話がそれてしまいましたが、なるべく楽器は寸前までケースから出さないのはもちろんのこと、持ち場から離れる時は、タオルの様なもので楽器を覆い、手元明かり等をつけてそこに楽器があるのを分かりやすくするのも良いでしょう。あとは、他のセクションが楽器の近くで作業する時には、立ち会ったり、楽器を移動したりして、普段からミュージシャンやアーティストなどの楽器を守る事が、一番ではないでしょうか! 僕は最近温暖化が進むこの地球上でそんな事を考えちゃいました。特に、最終日にはギターが倒れる状況に置かれていないか、もう一度 Check してみて下さい。
知っておきたいギターのetc
僕は ESP という所でギターを一から作った経験があるんですけど、ネックに入ってるロッドってどんな風になっているか知ってますか? ネックのセンターに溝を掘ってその中に鉄の棒をつっ込む訳ですけど、あの棒というのは常に順反ってます。ナットとネックエンドの中間が一番深く、両側が浅くなっているワケです。一方、ネックの木というのは湿気や温度によって順反ったり、逆反ったりするんでそれをその順反らせてある鉄の棒でしめると逆反り向きのテンションがかかります。それでネックが逆反っていくんですね。ゆるめると順反るわけです。そこで問題があるのは、ロッドをしめたりゆるめたりという作用がネックに対して全く垂直にかかるわけではないんです。ネックがねじれるというのは木の張り合わせ方以外にもこんな理由があるのです。
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