ローディーのお仕事 基礎編
ローディーのお仕事
ローディーとは、コンサートツアーやライブを支える重要なスタッフ。ライブでは、ミュージシャンの使用する楽器の運搬やセッティング、ギターやベースの弦の張り替え、ドラムヘッドを交換、使用エフェクターの電池交換なども行います。ミュージシャンがステージ上でどんな気持ちでいるかを把握し、対応する事も大切なお仕事です。
積込・積みおろし
アーティストの楽器をトラックに積込・積みおろしをする仕事です。
が、これこそローディーの基本中の基本! すべてはここから始まります。そのセンスが、その人のローディーとしてのセンスを現わしているといっても過言ではないでしょう。
積込みは、楽器をトラックのどの場所に積込むのがいいのか、また、積みおろしの際の順序を考えた積込みを行なわなければなりません。
トラックの後ろ寄りに積み込んだ場合に揺れが多くなり、楽器にかかる影響や負担も多くなるということも配慮する必要があります。安定した場所としては「運転席に近い前側になることがベストだ!」などといった、ここでは書ききれないほどのノウハウがあるでしょう。もちろん長方形や正方形、円形の楽器ケースをいかに無駄なく積み込むことができるか、いわばパズルのような仕事でもあります。
トランスポート
トランスポート会社に依頼するトランスポートとは少々違います。
デビューしたてのアーティストやバンドの方々が、地方の公演やライブなどの予算を低く押えるため、ローディーにトランスポートを依頼される場合があります。もちろん売れているアーティストの方々からも、小さな町でもくまなく公演したい場合や、手持ち楽器の移動手段として依頼されます。
ローディーにとって このトランスポートは俗に言う下積みにあたり、ローディーとして成長してゆく大切な仕事のひとつです。時間的にタイトで かなりきつい仕事になることは間違いありません。夜走りで移動し、朝から仕込みをしてセッティング、サウンドチェック、本番、撤去といった過酷なスケジュールもないとは言えません。
セッティング
本番当日、トラックからおろした機材は 会場の状況に応じて、舞台袖や客席等、他のセクションの邪魔をしない場所を見つけて 一時的に溜めておきます(・・・そこが空ケース置き場になる事が多いです)。舞台に楽器をセットするのはステージ上がセットアップされてからになるので、それまでは、楽器の溜め場にて仮り組みをしたり、楽屋・チューニングルーム等でギターの弦交換をしておいたりします。
舞台が組まれ、舞台監督からの許可が出たら ステージでのセッティングになります。楽器がいつものコンディションを保っているかのチェックが出来たら、他セクションがステージ上で作業するので、速やかにステージを明け渡してあげるのが、セクション毎の連携に繋がります。お互い持ちつ持たれつで一つの物を作っていくのが、コンサートスタッフの醍醐味の一つだと思います。
セッティングは迅速に行い、いつ見舞われるかわからないトラブルが起きた時に 対処出来る時間を持てるように心がけましょう。ローディーの手では復帰不可能なトラブルに見舞われ、バックアップ機材もない場合には、現地のレンタル楽器屋さんで手配しなければならない事も起きたりしますので。
リハーサル
リハーサルは、「ツアー前にスタジオで行われるリハ」と「ライブ当日に会場で行われるリハ」の大きく 2つに分けられます。
ツアー用のリハーサルが始まる前に、ミュージシャン(あるいはコンサート制作)と打ち合わせて 使用機材の手配をしたりします。スタジオでは楽器のセッティングに始まり、ギター・ベースの弦交換からドラムヘッドの交換など メンテナンスも行います。現場によっては音作り等を我々に任せられる場合もあるので、CD等の音源を聴いて楽曲に見合う音を選んだり、作ったりの作業をする場合もあります。
日程が進むに連れ、演奏曲順が決まってくると それに合わせてエフェクターのプログラムを曲順に合わせて並べたりもします。通しリハーサルが始まると、ローディーもライブの流れに沿ってギターチェンジのタイミングを覚えたり、エフェクトのスイッチングをこなさなければならない現場もあります。その他、ツアー中に必要な消耗品(電池、ドラムヘッド、ギター弦等)の手配や エフェクターのデータなどのバックアップを取る事も大切な仕事の 1つになります。
本番当日のリハでは、ミュージシャンが会場入りする前に、会場毎の状況変化に因る対処(アンプの音色の微調整や、エフェクト設定の微調整)や、ツアー日程が進むに連れて、より良いコンサート作りの為に、使用楽器の変更やエフェクターのセッティングを更に詰めて修正する事もあります。
ゲネプロ
ツアー用のリハーサルが終わると、実際のホールやアリーナでツアーと同じセットを使用して、行われるのがゲネプロです。
乱暴な言い方ですが、お客さんのいないコンサートと思ってください。
各セクションが一体となって、何か不備な事がないか確認作業が行われます。ローディーにとっては、ツアー用の舞台セット上で、ミュージシャンの好み通りに組めるか(アンプ等の配置やミュージシャン同士の位置関係)のチェックをする事が主な仕事でしょうか。大がかりなセットを組んで行われるアリーナツアー、ドームツアーなどでは、演奏と同期された演出等が行われる事が多いので、特殊効果のきっかけに合わせた演奏のチェック、どの曲でどのような照明になるのか等の演出上のチェックも行われます。
チューニング
一言でチューニングと言っても、ギター・ベースの調弦からドラムの鳴りやピッチを決める場合、アンプの音色や音量を会場ごとに決めるなど多岐に渡っています。ギター・ベースの調弦は、チューニングメーターを使って合わせるのがポピュラーですが(絶対音感を持ってたらなぁって思う事、しばしば・・・)、プレイヤーのスタイルや弦の押え方の癖を見つけて、プレイヤーに合わせて微調整していたりもします。
個々の楽器のチューニングはもちろん、一緒に鳴っている楽器同士のピッチ(キャリブレーション)を合わせる事も忘れないように!
生ピアノを使用する場合はそれを基準にしたり、レコーディングデータを同期ものとして使用する場合にはレコーディング時のキャリブレーションに合わせます。例外としてレコーディングでは、キャリブレーションをギター、キーボード類は 441Hz にしても、ベースだけ 440Hz に落として録ったりもしますが。
メンテナンス
気温や湿度、電源状況から果ては磁気まで、あらゆるものに楽器のコンディションは左右されます。それらの障壁を避けつつ、最良の状態を保つ努力をするのもボクらの仕事の一つです。
ローディーは、ミュージシャンの機材を 責任持って預かる立場でもあります。ツアー時には 大型トラックの積みおろしの時から気を配らなければなりません。磁気に弱いハードディスクを使った機材を、スピーカーから遠ざけるとか、振動に弱い楽器は出来るだけ揺れの少ない所に積むとか・・・積み込みだけでも留意すべき事は山のようにあります。
まぁ、こうやって書いてみると大袈裟に聞こえるかもと思いますが、自分の仕事に責任を持つという点に於いては、何事でも一緒ですよね!?
人為的なミスはさておき、ある日突然楽器は壊れちゃったりします(前述のようにトラック移動中に振動を受け続けていたりするし)。そういう時にしかるべき対処をとるのも僕らの仕事です。原因をつきとめ予備パーツと交換するとか、ツアー先のレンタル楽器屋さんに同じ機材を発注するとか・・・(楽器屋さんにひとっ走りする事も)その場に適した迅速な対応をする事で、ミュージシャンあるいはクライアントの評価も得られたりする訳ですな。(言い方カタいなぁ・・・)
エフェクティング
ライブやコンサートにおいて ミュージシャンがもっとも苦労するのは、それぞれのパートでの音源や音色です。特にギターやキーボードなどは、1曲の中でサンプリングディスク交換や エフェクターの踏み変え作業が必要とされます。 また、ステージなどの構成によっては、ステージ上の各々のポジションでのエフェクターボードのセッティングが難しく、演出の面から見ても 出来るかぎりシンプルなセッティングを要求されることがあります。
このようなことをクリアするために、それぞれのローディーが ステージの裃やセットの裏また、ステージの外、舞台下や裏などにその専用のブースを設けて、テクニシャンがミュージシャンの代わりにすべての音源や音色を変える作業をエフェクティングと言っています。
アーティストによってはそのシステムの規模や比重も多く、映像モニターやモニタースピーカーをセットし、すべての楽曲に行なわれることもあります。ローディーには充分な経験やセンスが必要とされるのです。
ステージング
男性女性アーティスト、ロック系、ポップ系、ダンス系、フォーク系、ショー系などのアーティストのステージは、様々な演出と構成で行われます。ここでローディーは、ステージ上で起こりうるトラブルの対処や、ミュージシャンのケアやフォローを行なうのです。
ローディーにとって、トラブルを予想して万全なセッティングをすることは当然であり、楽器には必要不可欠な電源の取り方や、それぞれの楽器の調整、コンサートホールの音響を考えてのセッティング、ミュージシャンの信頼を得て任されるチューニングを始め、楽器のメンテナンス、ステージ本番でのトラブルの処理やステージのケア、ミュージシャンのギターやベースの交換、ドラムスのマイクやヘッドホンなどのフォローなど、アーティストやミュージシャンが気持ちよく本番に臨めるようにスタンバイすることがローディーの仕事です。
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