1960年代後半、ロックの表現方法が多様化し、サイケデリックムーブメントが定着して大きな時代が象徴されたが、その中で、それまでシングルに向けられた曲作りからアルバム単位でのコンセプトアルバムを製作する姿勢をもつバンドを、総称して "Progressive Rock" と呼ぶ。

ロックというジャンルにとらわれることなく、他ジャンルの影響を反映した 前衛的かつまたは先進的(プログレッシブ)・実験的な音楽。クラシックやジャズなど、その音楽のアプローチや演奏法にとどまらず、精神までも取り込もうとしていた。

当時、サイケデリックなサウンドから抜け出し、実験的な音楽性の構築に取り組んだ「ピンク・フロイド」の宣伝担当ディレクター石坂敬一氏が、従来のロックとは異なるピンク・フロイドの音楽を形容するために、プログレッシブロックという言葉を用い始めたといわれている。1970年発売の同バンドのアルバム「原子心母 / Atom Heart Mother」の日本盤ライナーノーツの扉上部には、「ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり!」というキャッチフレーズが掲げられている。このコピーは、おそらく石坂が考えたのであり、おそらくこれが日本で(おそらく世界でも)「プログレッシヴ(ブ)・ロック」という言葉が使われたこう矢であろう。

「プログレッシブ」とは、本来「先進的」「前衛的」というような意味だが、日本ではプログレッシブ・ロック・バンドという場合、そのアルバムや楽曲などが次のような特徴をもつものをさすことが多い。

アルバム全体を一つの作品とする意識の徹底(コンセプト・アルバム)
大作主義傾向にある長時間の曲
歌が短かく、演奏部分での主要な伝達を試みる姿勢
インストゥルメンタルの楽曲も少なくない
複雑な曲構成(変拍子などの多用)
グルーヴよりも芸術性を重視した曲作り
クラシックやジャズとの融合を試みたものも多く高度な技術を有する
シンセサイザーやメロトロンを楽器として高度な使い方をしているものが多い

上記特徴は、"ピンク・フロイド" "キング・クリムゾン" "イエス" "エマーソン・レイク & パーマー" などのバンドがもつものである。おそらく、ピンク・フロイドの音楽をプログレッシブ・ロックと形容したのを皮切りに、その音楽と同様の特徴をもつキング・クリムゾンやイエスの音楽もプログレッシブ・ロックと呼ばれるようになり、これらのバンドの音楽の特徴である上記(の一部)を満たすものは、プログレッシブ・ロックである、とグルーピングされていったのであろう。すなわち、多くの音楽ジャンルの定義と同様(あるいは多くの芸術様式の定義と同様)、プログレッシブ・ロックの定義は、演繹法的であるよりも、帰納法的であるといえる。

したがって、音楽自体は「先進的」・「前衛的」とはいえないが、上記特徴にあてはまるために、一般にプログレッシブ・ロック・バンドと呼ばれるようになった例もある。反対に、その音楽は十分に先進的、前衛的ながら、上記条件にあまり該当しないためにプログレッシブ・ロックにはカテゴライズされないバンドも少なくない。

一方、1970年代のアメリカでは、イギリスのプログレッシブ・ロックの影響を受けたカンサスやボストンなどが台頭し、アメリカン・プログレ・ハードというジャンルが誕生した。また、1990年代以降はドリーム・シアターなどによるプログレッシブ・メタルと呼ばれる音楽形態も生まれた。2000年代にはマーズ・ヴォルタが登場し、パンク、エモを通過した新たな形のプログレッシヴ・ロックを掲示した。

代表されるミュージシャン

イエス
エイジア
エマーソン・レイク & パーマー(EL & P)
キング・クリムゾン
ソフト・マシーン
ピンク・フロイド
ムーディー・ブルース
ルネッサンス
U.K.
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